●中国電力

 小阪部発電所
 小阪部調整池発電所
 新成羽川発電所
 田原発電所
 黒鳥発電所
 帝釈川発電所
 新帝釈川発電所

●岡山県企業局

 新見発電所
 千屋発電所
 三室発電所
 高瀬発電所

●その他の事業者

 羽山発電所
 大佐ダム発電所

●番外編

 山野発電所



高梁川水系成羽川 中国電力 田原発電所

岡山県高梁市備中町(旧川上郡備中町)平川
形  式:ダム式
発電開始:1968年11月
出  力:22000kW
使用水量:60.00立方メートル/秒
落  差:43.20メートル

高梁川水系成羽川 田原ダム

岡山県高梁市備中町(旧川上郡備中町)平川
高さ:41.00メートル


広域図 by Mapion

備中町から新見に向かう県道は成羽川沿いに走ってますが途中で別れます。その別れ際に渡る橋で首を横に向けるとこういうものが見えます。

これは新成羽川ダムの次にある田原ダム。中国電力の持ち物です。けっこうでかいですねー

ダムの手前に見えてるのが田原発電所。ここで行ってるのはピーク発電といいまして電気がたくさんいる時間にドドーッと発電するわけ。

ところで田原ダム湖は田原発電所の貯水池ではありますが新成羽川発電所の下部貯水地も兼ねております。

下部貯水池いうのは揚水発電で水を落す側の池ですわ。電気需要が少ない夜中に上のプールに水を汲み上げておいて昼間に下へ落として発電するのが揚水発電の仕組みでして、ここの場合は新成羽川発電所の水車を夜中に逆回転させて田原ダム湖の水を新成羽川ダムの備中湖に戻しております。

そのままでは保存の効かない莫大な電気エネルギーを水の位置エネルギーに変えて必要なときまで置いとくわけですから揚水発電施設は巨大な電池ですわね。

しかし夜中に池の水がもりもり湧き上がる光景はけっこう不気味かもわかりません。

洪水吐と減勢工。岡山県内にある中電単独所有の物件としては一番ダムらしいダムですわ。なおこの写真と上2枚の撮影場所は作業場の敷地内ですが断り言うて入らせてもらいました。

右岸側から堤体を見た様子。手前にそそり立ってるのが発電所用の取水門。真下に水圧管路が見えます。

ダム天端。ゲート6門分の操作室をまとめて1棟の小屋に納めてありますがペラペラのスレート造ですねー 雨露さえ凌げたらそれで十分…いう割り切りがさすが中電さんですわ。ケチともいいますけど…

水門小屋から管理事務所から細大漏らさず豪華絢爛な血税製の国営ダムとはえらい違いですわ。

上流側からラジアルゲートを見た様子。残暑厳しい折でもあり木が鬱蒼と生い茂ってましてあんまりええ写真が撮れませんでした。

上流側の田原ダム湖。この湖の底には旧笠神発電所の遺跡が眠っております。これは岡山県初の水力発電所でして明治35年10月9日の運転開始。今や観光で有名な吹屋にありました旧三菱合資会社吉岡銅山の自家用発電所でした。

その後成羽川の水利権を譲る付帯条件として山陽中央水電に高額で売却されまして、以後も細々と発電してましたけど昭和20年9月の台風にやられて発電できなくなり昭和23年2月20日に旧井川発電所ともども廃止されております。

下流側。定常放流すら行ってませんので岡山県最古にして最大の電源である名水成羽川も哀れやご覧の状態ですわ。

奥に見える橋の向こうで別な川が合流してますんで僅かな距離ではありますが大恩ある川を涸らしたらいかんですよ。

ダムから見下ろした発電所。一昔前の電気釜みたいな建屋ですねー

22000kWいう出力値はかつて成羽川電源開発の立役者だった旧成羽川発電所を倍近く上回る数字です。これプラス新成羽川の300000kWですから成羽川電源再開発は大成功いうことになるんでしょうねー

角度を変えてみた様子。建屋の山際にある丸いものは放流水路の水門。目の前に川があるのに何で水が山の方に行くんや…思いますよねー

この発電所は半地下式いいまして、川より深いところに水車発電機がありますんでこの位置では放流できんのですわ。

こちらがその放流口。直線距離で1.5キロほど下流にありました。

水力発電所いうのは水の入り口もさることながら出口の形が一番肝心や…いうのは某水力発電所の方から聞いた話です。平べったい末広がりがええんですってさ。

参考文献
中国地方の水力発電所:中国電力株式会社
中国地方電気事業史:中国地方電気事業史編集委員会
くらしと電気の1世紀:岡山地区電気事業100周年記念事業実行委員会
おかやまの河川開発:岡山県土木部河川開発室
備中町史:備中町


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