●中国電力

 小阪部発電所
 小阪部調整池発電所
 新成羽川発電所
 田原発電所
 黒鳥発電所
 帝釈川発電所
 新帝釈川発電所

●岡山県企業局

 新見発電所
 千屋発電所
 三室発電所
 高瀬発電所

●その他の事業者

 羽山発電所
 大佐ダム発電所

●番外編

 山野発電所



高梁川水系帝釈川 中国電力 新帝釈川発電所

所  在:広島県神石郡神石高原町(旧油木町)新免

形  式:ダム水路式
発電開始:2006年6月
出  力:11000kW
使用水量:10.00立方メートル/秒
落  差:129.00メートル


広域図 by Mapion

新帝釈川発電所は帝釈川ダムの再開発で登場したピーク発電所です。その辺の経緯については帝釈川発電所のページをご覧ください。また所在が広島県ですが管轄が倉敷電力所なので岡山県内扱いにしています。

東城川と帝釈川が合流する狭い谷間に建っていた帝釈川発電所(以下在来発電所)のクラシックな建物が哀れプレハブみたいな小屋に変わり果てまして、代わって隣に現れたのがこのコンクリ製のゴツい箱。採光窓が一切なくて通風口だけ付いている分厚そうな真四角の壁は水力発電所いうより核施設に見えます。

水圧鉄管。今どきのはシームレスでヌルッとしてますねー よく見ると曲線部分は直管を段階的に溶接して作られてまして3DCGイラストみたいに見えます。

これも最新型ムード漂う屋外鉄構いうか変電設備。化学プラントみたいな形をしてますがこういうのはGISいうらしくて、不活性ガスを充填したカプセルの中に機器が収まっております。

専門筋の方によりますと写真をご覧いただいているこれは中電さん特許「変圧器一体型ガス絶縁開閉装置」いう全国レベルの超レア物だそうです。

対岸の国道から見た発電所建屋と水圧鉄管およびサージタンク。在来発電所の旧建屋は惜しいですがこっちはこっちで非情さとか冷たさとかそっち系の魅力がありますねー

ヘッドタンク。毎秒10トンも水を落とすのに意外と小さいもんですねー

放流口。右端に在来発電所が見えます。狭い谷間に2組も水圧鉄管が並んでるのは中国地方ではたぶんここだけや思います。

広島県東部、旧国名を備後と言うたあたりは地質のせいか地形にあまり余裕がないみたいで、発電施設も本場の岐阜や富山に通じる迫力がありました。


高梁川水系帝釈川 帝釈川ダム

広島県庄原市東城町(旧比婆郡東城町)三坂
高さ:62.10メートル


中国道東城ICから旧神石町方面へ通じる県道の途中に名勝帝釈峡がありまして、帝釈川ダム湖である神竜湖がその中心です。これはボート乗り場付近から見た水面。

紅葉の名所ですが初夏の緑あふれる水辺いうのも悪くないもんですよ。このあたりは道が何度か付け替えられましたんで「旧」や「廃」がお好きな方にはいろいろ楽しめると思います。

その帝釈峡の少し東城寄りから休暇村の方へ別れる道がありまして、それをたどるとダムの入口に着きます。そこから先は車が入れませんので歩きになりますが意外に距離があるうえに九十九折りの坂がきつくてですねー 片道20分くらいはかかります。

これは取水口の水門小屋。再開発で圧力送水になりましたんで新設されました。

旧来のローラーゲート式洪水吐。これがダムのように見えますが堤体は全然別な場所にありましてここにあるのは水門だけ。水はトンネルでダム下へ流されます。

崖の中腹に落石覆い付きのか細い道が見えますねー あれをたどっていった先がダムになります。

元はローラーゲートすらない自由越流だったそうです。こんなものがゲートの脇にありましたけどこれがその越流堤の名残かどうかはわかりません。

落石覆いの中はこんな感じ。これはハイキングコースの一部でしてダム天端を通って帝釈峡の辺まで抜けられるみたいです。

ついに姿を現した帝釈川ダム。いったん天端を渡って右岸から写しました。元はただのコンクリの壁で洪水吐も何もなかったらしいですが再開発でラジアルゲート付き洪水吐が2基新設されました。

その操作室はダムから飛び出てまして、前から見るとスターウォーズのAT-ATの頭みたいに見えるはずですが実地には見ることが出来ません。

な〜んでか、それはね♪ 前に回れないからです。すぐ前が垂直の壁なんですわ。その様子を想像していただくために操作室を中心に3枚にわけて撮りました。まず上。

中。前に回れない理由はこの写真で十分おわかりいただけると思います。操作室の宙ぶらりん感にも注目。

噂には聞いてましたけど実際来てみると全く余裕のないド限界な場所ですわ。大正時代にようこんなところにダムを造ったもんや思いますが改修して再開発した中電さんも凄いですわ。

言うたらなんですけどたかだか6000kWちょい増のために4tダンプも入らんような難儀な場所で大工事… 元を取るのに何年かかるんか見当もつきませんわ。普通の企業なら引きそうな事業ですが電気事業者さんには電源開発への切迫感みたいなものがあるんでしょうねー わっちら利用者には想像が及びません。

下。階段はありますが金網やら何やらが厳重でまるっきり立ち入れそうな気配がありませんし降りたとしても傾斜がありすぎて写真にならなさそうな感じ。

ダムが出来る前の帝釈峡は全部この調子で地球の割れ目のような奈落が続く大秘境だったと思います。

でも秘境いうのは意外と早く開発されるらしくて、あの上高地も戦前に早々と電源開発されてたそうですわ。大正池が発電所の調整池やいうことはほとんど世間に知られてませんけども。

右岸から下を見た様子。水が吹き出ているのは定常放流用のバルブみたいです。上に載せた別体ローラーゲート洪水吐の出口は矢印の辺にあるらしいですが素掘りだそうですわ。見てみたいですけどねー

なお日本ダム協会さんでは帝釈川ダムリニューアルのドキュメントを公開しておられます。難儀きわまりない場所にある難儀なダムを技術の限りを尽くして作り替える過程が記録されてますんで当ページと合わせてぜひご覧ください。

参考文献・URL
中国地方の水力発電所:中国電力株式会社
中国地方電気事業史:中国地方電気事業史編集委員会
釜トンネル 上高地の昭和史:信濃毎日新聞社
Dam's room:http://damsroom.web.infoseek.co.jp/index.htm


本ページの全著作権は著者が保有。転載盗用一切おことわり。アイデアの寸借もやめて下さい。

inserted by FC2 system