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県外の発電所シリーズ

斐伊川水系深野川 中国電力 川手発電所

島根県雲南市吉田町(旧飯石郡吉田村)川手
来  歴:日本発送電→中国電力
形  式:水路式
発電開始:1944年12月

出  力:900kW
使用水量:3.00立方メートル/秒
落  差:40.80メートル


北原発電所のすぐ下流に平田取水えん堤が横たわっております。撮影しながらふと顔を上げると向こうの山際に小さい水力発電所が見えるではあ〜りませんか!

左手前に見えておりますのが平田取水えん堤の堤体で、これは湯村発電所と日登発電所の共用取水施設です。ですんでこの場所には都合4つの発電所が関わってるわけですねー

この日は往復300キロの道程で北原の2発電所をフル取材して蕎麦めぐりと店主インタビューも…と少々疲れ気味でしたけど発電所が見えてる以上は突撃しましたとも。

建屋に近づいてみた様子。国策企業の日本発送電にしてはえらいちんまりした発電所を造ったもんですねー 戦時中ですし1kWでも電気が欲しかったんかもわかりませんけど…

水圧鉄管。この辺に散在する町営や農協のミニ発電所と同じ程度の落差ですわ。向こうに見える細い管は余水吐きだと思います。

ヘッドタンク。ちょっとブレてますけど勘弁して下さい。

放流口。ここが川手発電所の見どころですんで少々説明させてもらいます。

アーチ型の穴から勢いよく水が流れ出てますねー 遠目には手前の溝が放流水路に見えましたけどご覧の通りこの山から流れる渓流を通すためのもので発電所の放水とは関係ありまへん。

川のほうから眺めますとこういう感じ。水門をピッタリ閉め切ってまして水はちっとも流れておりません。はーて放流水はどこへ消えたんでしょうねー 

ヒント:この場所は斐伊川沿いで平田取水えん堤の下流にあたります。

これが答え。穴から出た水はそのまま真っ直ぐトンネルに飲み込まれていくのでした。どこへ行くのか…ですが水力利用のセオリーから察するに当然平田えん堤の上手に出口があるはずです。

そう思ってさっきの場所をうろうろしますと見つかりました!夕暮れどきのデジタル望遠で悲惨な画質ですが放流口と堤体を確認していただけると思います。

念のため一番上の写真も今一度よくご覧になって下さい。

戦時中の国策企業が何でこんなちっこい発電所を作ったのか…いう最初の疑問ですが要するにこれは深野川の水を平田えん堤へ導水する支水路で、ここまで水を持ってきてみたらええ感じに落差が出来てるしついでに発電したれ…いうのがホンマのところみたいです。岡山でいうと滝ノ谷奥津水槽と同じ理屈ですわ。

ところで渓流を通す溝は発電所の放流水と関係ないと書きましたけど実は溝に角落としが切られてまして渓流の水をこの「支水路」に落とせるようになっております。その心は

取れるもんは取る!

ですわ。このちっこい発電所に人生訓を学ばせてもらいました。折しも定額給付金が世間を騒がせておりますが是非はどうあれ出ると決まった以上わっちもこの心掛けで対処いたす所存です。


斐伊川水系深野川 曽木取水えん堤

島根県雲南市吉田町(旧飯石郡吉田村)曽木
高さ:5.26メートル


そのうち取材します。

参考文献
中国地方電気事業史:中国地方電気事業史編集委員会
中国電力五十年史:中国電力
中国電力の水力発電所(パンフレット):中国電力


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