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県外の発電所シリーズ 遺跡編

千代川水系千代川 中国電力 旧川中発電所

所  在:鳥取県鳥取市用瀬町(旧八頭郡用瀬町)川中
来  歴:鳥取電燈→中国合同電気→山陽配電→日本発送電→中国電力→1981年3月1日廃止

形  式:水路式
発電開始:1911年8月

出  力:1000kW
使用水量:2.55立方メートル/秒
落  差:20.0メートル


平成惨合併で用瀬町を飲み込んで今や智頭町の隣にまで迫った鳥取市。これは両者の境目に近い川中いう集落にある発電所の跡ですわ。明治生まれの古株でしたけど10000kWの用瀬発電所に跡目を譲ってこの始末となりました。

これは全体を対岸から眺めた様子。黄矢印が水圧管路、白いほうが余水吐きの跡です。

ローリー車の位置から水圧鉄管取り付け部を見上げた様子。薮に隠れてよう見えませんけど矢印が余水吐き管路のサドル。上の金網で囲ってるところがヘッドタンクになります。

水圧鉄管取り付け部のアップ。

この発電所は鳥取電燈の第二発電所として誕生しました。ちなみに第一発電所は現役の中電荒舟発電所です。

余水管路の跡。よう注意していただきますと薮の中にコンクリのサドルが見えます。

ヘッドタンク跡の様子。ここを含めて水路跡は埋められて農道みたいになってました。

ヘッドタンクの少し手前にあった水路橋。明治末年にはコンクリートがまだ珍しかったはずですしこの発電所は先進の土木技術で作られたんかも分かりません。

こちら余水吐きですがたぶん発電所の放水口も兼ねてたと思います。ここもコンクリですねー

もう一度対岸から発電所全体を見た様子。産廃業者か何かのプレハブが建ってますけど灰色の方のあたりが建屋の跡になります。

水圧管路との間に国道が走ってますが発電所の廃止後に付け替えられたもので、昔は発電所の手前で川を渡って今カメラマンが立ってる位置を通ってたみたいです。

この発電所が出来たことで鳥取電燈は用瀬町や智頭町をサービスエリアに加えることが出来たんですけどねー 実はその領域拡大の時に以下のような一悶着があったらしいですわ。

智頭町よりさらに奥の方の村はなかなか電気が来んので自前で電気事業を興そうとしましたが県の許可が出ませんで、鳥取電燈が配電することに決まってしまいました。

ところで鳥取電燈の設立メンバーは政友会派の議員が多かったらしいんですわ。そのせいでこの問題が二大政党の代理抗争みたいになりまして電力自給を主張する憲政会寄りの村民が反対運動を組織したそうなんです。鳥取電燈は政友会寄りの村民にだけ電灯を引く切り崩し工作に出ました。

その結果村が点灯派と非点灯派に分裂して大騒ぎになったとか。当然ロウソクより電燈のほうが明るくて便利ですんでだんだん政友会派に鞍替えする村民が多くなりまして、追い込まれた憲政会側がセクト化しかかったりしたそうです。

見るに見かねた郡長や県警部長が仲裁に入って村の大騒動は解決。二大政党制ではこういうトラブルが起こるんですなあ。政友会対憲政会にせよ佐幕対尊王にせよ南北朝にせよ源平にせよ壬申の乱にせよ国内を黒白2つに割る状況いうのは日本的にあんまりええことないように思いますけどねー


千代川水系千代川 智頭取水えん堤

鳥取県八頭郡智頭町市瀬
高さ:??メートル


R53智頭トンネルを用瀬側に抜けると一瞬こういう光景が見えます。これが川中発電所の取水えん堤の跡ですわ。

川の方に突き出た四角い柱みたいな石積みにスリットが刻まれてますねー ここにえん堤の排砂水門があったみたいです。

取水門の跡らしい遺構。車を置いた場所からここまで100メートルほど国道を歩きましたけど歩道がないし大型がヒュンヒュン通るしで生きた心地がしませんでした。

なおこの場所から川沿いの道を少し上流に行きますと因美線の古い鉄橋や日本離れした風景の砕石場跡、その砕石場が崩れたときに川の水をバイパスする世にも珍しい河川トンネルがありまして見どころてんこ盛り。気付きもせんと国道トンネルで素通りしてしまうのは惜しいことです。

参考文献
用瀬町誌:用瀬町
続用瀬町誌:用瀬町
中国地方電気事業史:中国地方電気事業史編集委員会


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